2016年08月03日

アカウンタビリティ

小池さんが都知事になりました

以下、彼女の発言です

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160802-00010002-logmi-pol

やはりアカウンタビリティが求められますので、今それを私自身のなかで模索しながら、みなさま方へのプレゼンテーションをしっかりしていきたいと思っております。

カタカナ多いなと思います

アカウンタビリティって「説明責任」といえばいいのに、と思いましたが、どうもそう簡単ではないようです。


http://www.insightnow.jp/article/4830

「アカウンタビリティ」は外来語で、Accounting(会計)とResponsibility(責任)の合成語で、「会計説明責任」という意味であった。時代の変遷とともに拡大解釈され現代では、「あらゆる組織体において権限を有する者が自ら行った結果、または行うべきことを怠ったことが招いた結果について、利害関係者に対して合理的な説明を行う責務」ということを意味する。

説明される側の納得がないといけない、責任が伴わなくてはならないということのようです。

なるほど、政治家の「説明責任は果たした」というのは「説明したからいいでしょ」になって
アカウンタビリティとは言えないのかもしれません。

外来語はきちんと使うためにはその定義、意味をきちんと理解する必要があります。
なんとなくでは、わからないからです。

そもそも抽象的な概念の操作は自国語ではしずらい国もあるようです。
日本語は漢字の抽象性を使って訳語をたくさん作ってきましたが、造語力が弱まっているのかもしれません。(韓国語で抽象概念の操作が難しくなったという指摘もあるそうです。漢字廃止したから)

小池さんは言葉を慎重に選んでいるように思います。
だからこそカタカナが多くなっているのかもしれません。

なやましいです。


posted by 藤川竜光 at 06:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | あれこれ

なぜ、日本では男女間の賃金格差が大きいのか

「仕事と家族」筒井淳也著 中公新書を読んで

なぜ、日本では男女間の賃金格差が大きいのか

それは以下の構造的な原因があるといいます。

日本の会社で出世するためには以下のことを受け入れる必要があるといいます。

1.職務内容を限定しないこと(なんでもする)
2.残業をいとわないこと
3.転勤をいとわないこと

これを三つの無限定性というそうです。

2,3は分かりやすいですが、1の職務内容を限定しないとは、現場における仕事の内容があらかじめ決められておらず、広がる可能性があるということです。

欧米では、旋盤、清掃、経理、管理といった職務内容があらかじめ決められ、それ以外の仕事を要求されることは無いようです。

日本ではコンビニのアルバイトでさえ、商品陳列、仕入れ、シフト管理までいつのまにか任されるという現状があります。

これが単純に悪いこととは言えませんが、仕事の見通しがつきにくく、従業員の負担は無限に大きくなる可能性があります。このことは長時間労働に直結します。

この三つの無限定性を受け入れないと日本では出世できない
そしてそれが可能だったのは、私的な面、家庭の維持を女性がサポートしてきたからだということです。

私的な面のサポートを前提にしないと日本では高収入が得られない。
女性はそのサポートを得にくい。
これが男女の賃金格差の構造的原因であると。

では、日本でも欧米のように職務内容が限定された働き方に変えていけばよいのかというと話は簡単ではありません。

職務内容が限定されていれば
・会社でその職務がなくなれば即、仕事がなくなる
・不景気になれば経験の少ない若年層が真っ先に解雇される
・収入を増やしたければ職務内容そのものを変えなけらばならない。そのスキルアップを会社はサポートしない

これは失業が簡単に増える構造です。
日本で失業問題が欧米ほどには大きくならないのは、社内での人員配置が柔軟にできるから、すなわち1の職務内容の柔軟さがあるからだといいます。

しかしいま、男性だけの収入だけで家計を維持するのは厳しい。

夫婦共働きを選択しにくい状態ではますます出生率が下がり日本の活力は落ちていく

仕事の無限定性を見直す必要があると著者は主張します。

ポイントはすべてのいいとこどりの政策はありえないということ
出産、育児期のサポートだけでは問題の根本的解決にはならないことなどが指摘されます

大変興味深い本です。

スウェーデンの女性の雇用の半分が公務員でそのかなりの部分が育児介護のサポートであること、
高学歴の女性のかなりの部分が公務員に流れるので実は男女賃金格差は大きく、取締役の女性の割合は高くないこと。ドイツの女性取締役の割合は日本より少ないとか単純に欧米礼賛でないところが小気味よいです。

実はまだ読了していないのですが、大変興味深い本です。
この後、家族の家事分担の不公平の話とか格差の話が続きます。

この手の「世界は単純ではないのだ」という話は大好きです。
歴史も海外とも比較も目配りがあり良著だと思います。

労働問題、男女格差の問題に関心のある人には必読書だと思います。

「仕事と家族」筒井淳也著 中公新書


posted by 藤川竜光 at 06:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | あれこれ